開催にあたって 「参詣道の石段」と「バス路線延長の歴史」
大山の繁栄には、人をひきつけて止まない秀麗な姿と、古くからの信仰的な背景が結びついた「大山の魅力」に加え、門前町の人々の地道な活動が寄与しました。すなわち「御師(おし)の布教・勧誘活動」、
「参詣道の石段の整備」、「(バス路線延長のための)石段から坂道へ」、「関東大震災の壊滅的被害からの復興」などが大きな役割を果たしていたのです。
大山参詣道は、大正初期までは、子易明神から先は石段のある坂道でした。この石段は参詣者のために、人々が何年もかけて総出で作り上げ、補修を加えて維持管理してきた賜物です。
しかし、この石段も交通が発達すると障害になってきました。そのため石段は参詣道沿いの人々によって取り外され、失われていきました。今回は、その失われた「石段の再現」を試み、「石段から坂道へ」、「バス路線延長」の歴史について紹介します。